Work / Zoé Schellenbaum

 

道之長乳歯神 / 帯屋捨松の地図

2015

絹織物上でのサイアノタイプ 360 x 33 cm、木、金糸、帯用の桐箱、ビデオ、トレーシングペーパーを用いたネガ、ノート、環境の神秘など

黄泉の国から地上へ戻った伊邪那岐神(いざなぎのかみ)- 伊耶那美神とともに日本を形づくったとされる – は、穢れた身を清めようと川に入り禊を始めた。伊邪那岐神が身につけていたものを投げ捨てると、様々な神々が生まれた。その帯から生まれたのが、道之長乳 歯神、「道・長い・間」の神である。

「 捨松の帯工場に初めて来た時に、その場所と慣習を知らなかった。だから、今私が織っているものは地図になるのだろう。帯は絵巻なのかもしれない。こ の場所と私を繋ぐものなのだと感じた。私は360cmの絹を織った。それはあたかも360度 - 私を取り巻く - 奇妙さであり、解き明かすものだった。この実験の目的は、私を取り巻く土地の神秘を明らかにすることだ。
この360cmもの帯に、青写真のエマールションを塗布した。塗ったエマールションは太陽の光に照射される事で、写真的なプロセスを持つ。また、地図を作成する為には空から見る地球との距離が重要だ。
この場所に存在し、この場所の摩耗した記憶や物語、感情。そういったものは感じることができない。帯の表面でそれらを捕らえる。結んではほどき、隠しては見せる。ゆっくりと時間をかけて。体に巻き付け、自分の中に取り込むのだ。
しかし、私の地図では光より影のほうが多い…
青写真実験の興味深い点は、現像した後でも、長時間の日光の下ではさらに感光し、像が消えて行くということである。不思議なことに、紫外線から保護すれば また像は出現する。我々が光に晒そうとすればするほど、土地の神秘は消えていく。それは影のなかでしか姿を現さない。逃げ出す前の、ほんの一瞬だけ。」

( 翻訳者 : 中井 伶美 & 芝 知宙 )

Zoé Schellenbaum CV

Skills: 作品